日本触媒

日本核酸医薬学会第10回年会にてポスター発表を実施しました。【ユニバーサルリンカーを含むRNAオリゴヌクレオチドの穏和な切出·脱保護法の開発】

2025年7月1日(火)~7月3日(木)に神戸国際展示場2号館で開催された日本核酸医薬学会第10回年会においてポスター発表を行いましたので、要旨集に掲載した内容をご紹介いたします。

演 題ユニバーサルリンカーを含むRNAオリゴヌクレオチドの穏和な切出·脱保護法の開発
演 題(英)Development of a Mild Cleavage and Deprotection Method for RNA Oligonucleotides Containing Universal Support
発 表 者株式会社日本触媒 健康・医療事業推進本部 健康・医療研究開発部
羽渕 貴紀 / Takaki Habuchi

UnyLinker(※1)に代表されるユニバーサルリンカーを有する固相担体は、オリゴヌクレオチドの固相合成において、広く利用されている。特徴として、3′末端の核酸やリガンドの種類に依存せず合成が可能であるため、核酸をロードした各種固相担体の在庫管理およびコスト負担の軽減が可能である。加えて、ユニバーサルリンカーは原薬構造中の重要な構成要素とならないため、製造における出発物質とならず、品質管理上の負担も小さい。一方で、ユニバーサルリンカーは脱離速度が遅いため、強い塩基性条件による脱離反応が必要となり、塩基性条件で分解しやすいRNAとの併用が困難となるという課題があった。

※1 UnyLinker は Ionis Pharmaceuticals, Inc. の商標です。

本研究では、上述の課題を解決するため、UnyLinkerを用いたRNA含有オリゴヌクレオチドに対して、UnyLinkerの脱離促進とRNA分解抑制を両立する切出・脱保護 (C&D) 法の開発に着手した。初めに、RNAの分解を低減するために穏和な条件下でC&D工程で用いる有機溶媒を検討した結果、RNAの分解を抑制しつつ、UnyLinkerおよび塩基部保護基の完全な除去が可能な有機溶媒を見出した。次に、UnyLinkerの脱離速度を促進させるために添加物(※2)を加えた検討を行い、より効果的にUnyLinkerを除去可能な添加物を特定した。最後に、これら有機溶媒と添加物を組み合わせることで、非常に優れたUnyLinker除去能     力及びRNA分解抑制効果を示すことを確認した。以上より、UnyLinkerを活用した場合でも高品質なRNA含有オリゴヌクレオチドを取得できる、穏和な製法を開発した。

※2 Nelson, P. S. et al., BioTechniques 1997, 22, 725-756.

ポスター発表風景
学 会 名日本核酸医薬学会第10回年会
会 期2025 年7月1日(火)~ 7月3日(木)
会 場神戸国際展示場2号館
公式サイトhttps://www.natsj.jp/2025/natsj10